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帝王切開で出産~痛みとか麻酔とか体験談

帝王切開 手術
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『帝王切開の出産』(出産編)

出産というと多くの日本人が、「うぅ!陣痛が!」と妊婦さんが唐突に痛みを訴えて、「ヒッヒッフー」というラマーズ法の呼吸とともに長い時間をかけて赤ちゃんを産むと言う、いわゆる『自然分娩』を想像するかと思います。『自然分娩』以外だと腹部と子宮を切り開いて出産する『帝王切開』があります。現在は妊婦さんの約5人に1人が『帝王切開』で出産していると言われています。

しかし、これだけポピュラーになった『帝王切開』ですが、『自然分娩』と比べて分からない部分が多いのが現状です。

筆者は2月上旬に予定帝王切開で男児を出産してきましたので、自身の体験を踏まえて『帝王切開』の出産がどんなものかをご紹介して行こうと思います。

1)妊婦がどんな状態になると『帝王切開』になるの?

『帝王切開』には2つ種類があります。一つは、自然分娩を予定していたけど不測の事態に陥って急遽帝王切開にお産を切り替える『緊急帝王切開』。

もう一つは自然分娩が難しいと予め分かった状態で「何月何日に手術しましょう」と決めて出産する『予定帝王切開』です。

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筆者はこちらの『予定帝王切開』で出産してきました。 さて、ではどんな場合だと帝王切開になるのか。

『緊急帝王切開』は先述した通り、何らかのトラブルによって行われる処置です。

例えば、赤ちゃんのへその緒が圧迫されて窒息状態になってしまったり、赤ちゃんが出てくる前に胎盤が剥がれてしまって子宮内で大量出血してしまったり…そんなトラブルが起きた場合は自然分娩では危険ですので、母子の安全を優先して帝王切開に切り替える場合があります。他にも、陣痛が微弱過ぎたり子宮口が硬くて上手く開かなかったりした場合も『緊急帝王切開』になることがあります。

これらはお母さん側の体のトラブルですが、このような事態になるとお産が長引いて難産になり、お母さんの体力がかなり消耗されます。 『予定帝王切開』が行われる理由は様々ですが、最も分かりやすいのは赤ちゃんが双子だった場合や逆子だった場合でしょう。このような場合、エコーなどで見ることが出来ますので状況が分かった時点で「あなたは帝王切開ね」と医師に判断されることになります。

他にも胎盤が子宮の出口を塞いでしまっている前置胎盤という状態だと、赤ちゃんが出て来られないので予定帝王切開が行われたりもします。

筆者は予定帝王切開で出産したと書きましたが、実はギリギリまで自然分娩を予定していました。ですが、いつまで経っても赤ちゃんが下りて来る気配は無く、医師が不審がって予定日一週間前にレントゲンを撮ったら、私の骨盤が赤ちゃんの頭が通り抜けられない形をしており、強制的に帝王切開での出産になりました。

こういったケースだと自然分娩が骨格の問題で不可能と判断されるため選択の余地は無く、出産方法が帝王切開となります。 2)帝王切開の手術はどんなもの? では手術そのものはどのように行われるのでしょうか。筆者が手術をした産院の段取りを参考にご紹介していきましょう。

 

①手術前日はどう過ごす?

『予定帝王切開』の手術前日は、夜21時以降は絶食絶飲しなければなりません。帝王切開は麻酔を使用しますので、この麻酔によって胃の内容物が気管に入り込んだりといったトラブルを防ぐためと言われています。

リスクを減らすための絶食絶飲ですので、きちんと守らなければなりませんね。病院によっては手術前日から検査のために入院させるところもあります。

これは病院によって異なりますが、私が手術したところは「手術当日の朝9時までに来て」と言われました。

②手術前はどんなことをするの?

『自然分娩』だと陣痛が始まって、産まれるまでかなりバタバタしますが、帝王切開の手術前はそこまで慌ただしい事にはなりません。

まず、衣服を着替えて点滴を繋いで血圧を測ったり、赤ちゃんの心拍などを見ます。問題なく手術が出来そうだとなったら、浣腸をします。

これがかなり即効性のあるもので、妊娠中便秘に悩まされオリーブオイルを飲んだりヨーグルトを食べたりと筆者の重ねて来た苦労を、ものの数秒で粉砕してくれるほどの威力でした。

なぜ浣腸をするのかと言うと、帝王切開の場合麻酔を使用して腸の動きをストップさせてしまいます。

そのため、あらかじめ便はすべて出し切ってしまっていた方が良いと言う判断のもと行われるのかもしれません。

しかし浣腸に関しては、行う病院もあれば行わない病院もあるようです。 破壊力満点の浣腸の後は導尿カテーテルを挿入されます。

尿道に管を挿し込んで、勝手に尿が排出されるようにする処置です。排出された尿は袋に蓄積され、手術後も定期的に看護師さんが回収しに来ます。

導尿カテーテルですが、これが地味に痛い。病院によっては麻酔をした後に挿入するそうですが、私の時は麻酔無しでした。文字通りゆっくりと針を挿し込まれていくような、今まで経験した事のない痛みでした。

 

③手術はどんな風に行われるの?

術前処置が完了したら、いよいよ手術です。 帝王切開で使用する麻酔ですが、大きく分けて2種類あります。

一つは、母子への影響が少ないとされる『局所麻酔』です。胸から下にかけて麻酔が効きますので、意識がある状態で赤ちゃんを取り出します。

もう一つは『全身麻酔』です。こちらは母子に危険が迫っているなど、とにかくスピード勝負の緊急性のある場合に使われるそうです。現在『予定帝王切開』をする場合は局所麻酔を主に使用する傾向があります。

麻酔の仕方・手術中に痛みはある?

さて、この局所麻酔ですが注射によって注入されます。筆者の場合、手術台に腰かけた状態でお辞儀する姿勢を取り、突き出た腰に注射をプスリと刺しました。よくこれが「物凄く痛い」と言われることがありますが、想像した以上に痛みは少ないです。個人的には刺繍針くらいの太さの点滴針を手術前に刺した時の方が痛かったです。

麻酔そのものはすぐに効きます。胸から下がじんわりとした生暖かい感覚になりますが、意識はかなりはっきりしています。

自分で見ることは当然出来ませんが、ジョキン!ジョキン!とハサミのようなものでお腹を切られている感触や、器具を使って切開した箇所をゴリゴリと広げているのも分かります。(※当然ながら痛みはありませんので、ご安心ください) 意識があるので赤ちゃんを取り出した際の産声も聞く事が出来ます。

筆者の息子はこの時、執刀していた大先生におしっこを引っ掛けてましたので、その様子も見ることが出来ました。 赤ちゃんを取り出した後は縫合をしますが、時間が少々かかるのと、内臓を手で押さえたりする必要があって気持ち悪くなったりすることもあるということで、薬で眠らせてもらいました。

時間にして大体15分前後眠っていたと思います。 意識が戻った時には手術は終わっており、朦朧とした意識のまま病室に運ばれました。以上で手術は終了となります。

手術そのものの時間は大体1時間程度です。お腹を切り開いて赤ちゃんを取り出すまでは、10分程度だったように思えます。思った以上に短い時間で終わります。

切開についてですが、縦に切るか横に切るかは赤ちゃんの状態と医師の判断によって変わってきます。筆者は40週で手術をしましたが、赤ちゃんが結構大きめということで縦に切ることになりました。

場所はへそから5センチほど下、約10~13センチほど切りました。横の場合はもっと下の方を切るようですが、切る長さは大して変わりません。 縦と横、どちらが良いとか悪いとかはありませんが、横に切られた方があまり目立つことはありません。

 

3)手術後ってどう?麻酔が切れる時間は?

手術の直後は麻酔がまだ効いている状態なので腰から下が動かせません。

上半身なら動かせるかと言うと、なかなかそうもいきません。体全体がだるい感じがして、とにかく寒くて寒くて会話すらままならなかったと記憶しています。

これは麻酔の副作用で、体温が下がりやすく、且つ上がりにくくなっているせいと考えられます。なので、寒く感じるのではなく実際にかなり寒いのです。

麻酔がいつ切れるかですが、筆者の場合は午後14時に手術を開始して病室に戻って来たのが15時前後。麻酔が切れたのはその日の夜22時ごろでした。

麻酔が切れる時間は個人差があり、私のように早めに切れる人もいれば、半日くらい違和感を覚える人もいます。 麻酔が切れて来ると徐々に足の感覚が戻り始めますが、足を曲げる、足首を動かすなどの簡単な動作すら一苦労します。

 

4)帝王切開だと「悪露(おろ)」は出るの?

出産後に生理のような出血が一か月ほどありますが、これを「悪露(おろ)」といいます。「悪露」は出産の際に子宮内に残った胎盤や卵膜、子宮内膜などの分泌液で赤い色をして排出されます。 自然分娩だと赤ちゃんを産んで一緒に胎盤も外に出されますが、綺麗さっぱり全部外に出せるわけじゃないので、このような形で一か月間ほどダラダラと排出され続けます。

産後すぐの頃は量も多いのですが、段々と量が減っていきます。

よく「帝王切開だと悪露は出ない」と言われていますが、実際は帝王切開でも悪露は出てきます。しかし、自然分娩と比べて量は少ないです。

帝王切開は手術の際に胎盤を取り出して綺麗にしてもらえますので、悪露として排出されるものがそもそも少ないのです。

ですが、全部を完璧に除去できるわけではありませんので、少ないながらも出てきます。個人差はありますが、三週間以内にほぼ出なくなります。筆者は出産から二週間目でほぼ出ない状態になりました。 逆に、全く悪露が出ないと何らかの異常がある場合がありますので、もし全く悪露が出てこない時は医師に相談しましょう。

5)帝王切開出産・手術まとめ

帝王切開の出産、今回は出産の手術に重点を置いてご紹介して来ました。

帝王切開そのものは、お腹を切り開く出産方法という認知はされていますが、手術前後がどういったものなのか、どんな処置をするのかはそこまで知られていません。予定帝王切開だと、きちんと段取りがされていますので「心の準備」が出来ると言う点が自然分娩との大きな違いだと思います。

ちなみに筆者は手術当日の早朝5時に寝返りをした瞬間に破水し、急遽病院に駆け込みました。

その後、陣痛も来て手術前にはかなりの痛みになっていました。破水、陣痛、帝王切開…と出産フルコースを味わってきたわけですが、術後の寒気が一番体にこたえました。 さて、帝王切開だと「自然分娩と比べて痛くないんでしょ?」と思われがちですが、実際のところはどうなのか。それは『帝王切開の出産(入院生活編)』で語っていきたいと思います。

執筆者 浅丸千代乃      

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